インソールより先に見るべき〇〇の話:

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リハラボBayWalkingの理学療法士は、足元から歩行に対してアプローチする手段としてシューフィッティングとインソール作成(バランスケア対応)を行っています。

またフット&ボディバランスアジャスメント機構という団体に所属しバランスケア対応を学んでいます。この団体では、インソールを作る上で足の状態評価(足サイズ測定、フットプリントによる足部の状態確認など)、靴の機能評価を行うことを重要視しています。

今回はそんなインソールを作成する上で、重要な靴の知識についてお話していきたいと思います。

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なぜ靴が大事か:

私たちは理学療法士が持つ理学療法の知識と視点に加え、さらに靴を評価する視点がインソール作成前に重要だと考えています。

そもそも靴自体の機能やサイズが身体に合っていなければ、靴そのものがバランスを崩す原因となることや、パッドを付加した位置と筋・骨の位置にズレが生じてしまい、インソールの効果も十分に発揮されないと考えています。

また人間は1日に数千歩から多いと数万歩ほど歩きます。歩くたびに悪いメカニカルストレスを繰り返すことで、痛みや変形などのトラブルにつながってしまいます。

リハビリを行う上でも靴が合っていないことによって、足部をはじめ様々な異常を助長させてしまう可能性があることを知っておくことは重要だと考えています。

本日はそんな靴の重要な機能の1つである「ヒールカウンター(踵部分)」について紹介していきます。

<ヒールカウンター解説動画>

歩行周期における靴の重要な役割:

ヒールカウンターは、歩行周期の中でも立脚初期〜立脚中期のタイミングに影響します。

足部の関節でもヒールカウンターは踵部分に当たるため、距骨下関節の回内外の動きを制御する役割があります。

立脚初期では、距骨下関節が回外接地した後、立脚中期に向けて距骨下関節が回内方向へ緩やかに移行することで衝撃吸収機能が働きます。

もし足部に何らかの異常があり、立脚初期から距骨下関節の過回内が起こると急激にアーチがつぶれてしまい、衝撃吸収機能がうまく機能しません。また過回外の場合は外側荷重が長く、推進期で母趾頭でスムーズな蹴り出しができない可能性があります。

インソール作成前に見るべき靴の踵:

靴の踵部分では、ヒールカウンターと呼ばれる踵部分に挿入された半円形の芯(月型芯)に注目していただきたいです。

このヒールカウンターは

・踵の保護(過回内外の防止)

・立位・歩行の安定性

・靴の履き口の形状保持など

の役割を担っていると言われています。

ヒールカウンターを評価するポイントとしては、

・硬度

・踵のフィット感(ヒールカウンターの幅)

・ヒールカウンターの長さ

この3つに注目することでその靴における踵の特徴を見分けることができます。

①ヒールカウンターの硬度:

ヒールカウンターの硬度が高いことで、後足部(距骨下関節)の動きを制御する役割があります。

ヒールカウンターの硬度に関する研究(Gheluweら, 1995)では、『硬質なヒールカウンターは外反力を抑制した』(1)と述べています。

写真のように指で押してつぶれてしまう状態は、後足部の動きが制御できません。押してつぶれないものやプラスチックなどで補強されているものを選択することが重要です。

②踵のフィット感:

さらに履き口の形状とヒールカウンターの幅から踵のフィット感を見ることも重要です。

ランニングシューズの後足の動きに対する踵のフィット感の影響に関する研究(Gheluweら,1999 )では、「剛性の高いヒールカウンターを備えたランニングシューズが後足部のコントロールを改善し、密着した踵のフィット感を使用した場合にのみ過負荷損傷のリスクを軽減できる」(2)と示しています。

下の写真のように靴によって履き口の形状が違うことがわかります。

例えば踵の小さい人や大きい靴を履いている人は、靴と踵の間にスペースが生まれてしまいます。そのため後足部の制御が低下し、距骨下関節の回内・回外の動きが大きくなってしまいます。

③ヒールカウンターの長さ:

ヒールカウンターは、長さによっても機能性が変わります。

靴によっては内側と外側で長さが違うものがあり、下の写真のように内側が長いものは距骨下関節の過回内の防止につながります。

また長めに作られているヒールカウンターをロングカウンターと呼びます。

下の写真の上段のように距骨下関節だけでなく、内側縦アーチ全体をサポートできることで、より立脚期を安定させます。

メーカーによっては下の写真のように、さらにヒールカウンターを補強しているものもあり、より踵の安定性を高めている靴もあります。

またヒールカウンター同様に内側と外側の長さが違うものもあります。

このようにまずは靴を評価し、必要に応じて靴の提案やフィッティングを行うことで、インソールの効果を最大限に発揮できます!

そして理学療法評価に加え、靴と身体が合っているかを見抜く能力もこれからの理学療法士に必要な能力の1つです!

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参考文献

(1)Gheluwe, B.V., Tielemans, R., and Roosen, P(1995)The influence of heel counter rigidity on rearfoot motion during running. Journal of applied biomechanics, 11: 47-67.

(2)Gheluwe, B.V., Kerwin, D., Roosen, P and Tilemans, R(1999)The influence of heel fit on rearfoot motion in running shoes. Journal of applied biomechanics,15:361-372.

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